iDeCoと会社の確定拠出年金って違うの?
似てるけど、違うものだよ
確定拠出年金には個人型確定拠出年金(iDeCo、個人型DC)と企業型確定拠出年金(企業型DC)の2種類があります。
会社に確定拠出年金の制度がある!と言う人で確定拠出年金を利用していても、個人型と企業型の違いがキチンと言える人はあまり多くありません。
今回はiDeCoと企業型DCの違いについてのお話です。
Contents
iDeCoと企業型DCの違い
iDeCoと企業型DCの違いを一覧にしてみたよ
iDeCo | 企業型DC | |
---|---|---|
加入できる人 | ほぼ全国民 | 企業型DCのある企業勤めの会社員 |
上限額 | 12000〜68000円 | 27500円 or 55000円 |
納付方法 | 自分の口座から振替 or 給与天引き | 給与天引き |
運用金融機関 | 自分で選ぶ | 会社が決める |
運用商品 | 自分で選ぶ | 会社が選んだ商品の中から選ぶ |
口座管理費 | 自分で払う | 企業負担が多い |
大きな違いは上限額と運用する金融機関ですね。
iDeCoは運用者の立場によって拠出(積立)できる上限額が異なり、会社員の場合は毎月23,000円が上限になります。勤めている会社に企業年金がある場合、上限額は23,000円より低くなります。
企業型DCは上限額が55,000円となります。勤めている会社に企業年金がある場合、27,500円が上限額となります。
拠出(積立)上限額はiDeCoより企業型DCの方が多いんですね。
積立の上限枠が大きく、積立金額の自由度が高い点で企業型DCはiDeCoより優れています。
積立金の自由度が高いのが企業型DCだね
運用する金融機関についてですが、iDeCoは金融機関ごとに運用できる金融商品が決まっています。
会社が良い商品のある金融機関を選んでくれれば問題ないのですが、買いたくない商品しかない金融機関を選ぶ可能性もあります。
運用したい商品のある金融機関を自分で選べるため、運用商品の自由度でiDeCoは企業型DCより優れています。
運用商品の自由度が高いのがiDeCoだね
iDeCoを使うか、企業型DCを使うか
企業型DCがある会社に勤めていると、iDeCoを使うべきか企業型DCを使うべきか迷いますね。
会社の規約次第ですが、実は迷う必要はないかもしれません。
企業型DCを扱っている会社には、確定拠出年金に関する規約に以下のパターンがあります。
- 個人型か企業型か選べる
- 個人型と企業型を併用できる
- 個人型の使用を認めていない
企業型DCの仕組み自体はどこの会社でもほとんど違いがないですが、iDeCoの扱いは会社ごとにかなり異なります。
iDeCoか企業型DCかを迷っても、そもそもiDeCoの運用を認めていない会社では企業型DCしか選択肢がないんですよね。
会社に内緒で企業型をやればいいのよ
iDeCoを始めるためには会社に書類を書いてもらわないといけないし、内緒でやるのは難しいかな
iDeCoと企業型DCのどちらを使うか迷う前に、まずは規約を確認するか総務に確認してくださいね。
企業型DC加入後に転職したらどうなるの?
企業型DCって、加入後に転職したらどうなるの?会社に取られるの?
確定拠出年金は個人の資産だから会社にはとられないよ。資産を移動して運用できるんだ
企業型DCは、その会社を退職・転職すると加入資格を失います。
加入資格を失ったあとは、忘れずに年金資産の移管を行いましょう。
転職したあとの移管先はこちら
転職したあと、年金資産をどこに移せばいいかまとめてみたよ
- 転職先に企業型DCがある → 転職先の企業型DC
- 転職先に企業型DCがない → iDeCo
- 転職して公務員になった → iDeCo
- 転職して自営業になった → iDeCo
- 退職して主婦になった → iDeCo
転職先に企業型DCがなければ、移管先はiDeCo一択なのね
移動しないと「自動移管」される
加入資格を失ってから6カ月以内に年金資産の移管を行わなければ、資産は国民年金基金連合会に「自動移管」されてしまいます。
自動移管はデメリットだらけなので、転職・退職時は忘れずに移管手続きを行いましょう。
- 拠出(積立)や運用ができない
- 確定拠出年金の加入期間とみなされない
- 移管手続きに余分な手数料が必要になる
イメージとしては、開けるのにお金のかかる金庫にいれられる感じかな。いいことが一つもないから、忘れずに移管手続きはしようね
資産の移管手続きはこちら
移管ってどうすればいいの?
簡単にできるよ
まずは転職先の企業に企業型DCがあるか確認します。企業型DCがある場合、転職先の企業型DCに加入することになりますので、以下の流れになります。
- 総務から企業型確定拠出年金の資料をもらう
- 書類を提出する
退職後に就職しない、または転職先の企業に企業型DCがない場合、iDeCoに加入することになります。iDeCo加入は以下の流れになります。
- 金融機関から資料を取り寄せる
- 金融機関を選ぶ
- 書類を提出する
6カ月放置すると自動移管されちゃうから、移管手続きはちゃんとやろうね
まとめ
個人型確定拠出年金iDeCoと企業型確定拠出年金のお話でした。
どちらの制度もお金を60歳まで引き出せなくする代わりに節税できる制度となっています。
老後に向けた資産形成手段として非常に優秀ですので、利用できる方を使って充実した老後を送ってくださいね。