投資信託を調べてるとETFって単語を見るんだけど、ETFってなに?
上場投資信託だね。証券取引所で売買できる投資信託だよ
投資信託の情報を調べたり、経済ニュースを見ていてETFという言葉を聞いたことがないでしょうか。
2013年には日銀の金融緩和策として国内ETFの買入れも話題に上がったため「聞き覚えがある」という方もいるかもしれません。
ETFとは何なんでしょうか?
ETFは投資信託と株式投資の特徴をあわせ持った金融商品になります。
この記事ではETFについてお話ししていきますね。
Contents
ETF(上場投資信託)ってなに?
ETFってつまりなんなの?
投資信託を上場させた商品だね
ETFは Exchange Traded fund の略で「上場投資信託」のことです。
投資信託を証券取引所に上場させ、通常の株式と同じように誰でも売ったり買ったりできるようにした商品になります。
ETFはほとんどが経済指数に連動する
ETFには多くの種類があり、そのほとんどはTOPIXや日経平均株価などの経済指標に連動するように設計されています。
ETFではみんなから集めたお金を使い、たくさんの株式や債券を組み込んで経済指標と連動するように運用します。運用した成果は出したお金に応じて投資家に返します。
あれ?この仕組みってインデックスファンドと同じじゃない?
そうなんだ。ETFの基本的な仕組みはインデックスファンドと同じなんだよ
経済指標連動型以外のETFもあるぞ
ほとんどが経済指標連動ってことは、経済指標に連動しないETFもあるの?
いいところに気付いたね!あるよ
ほとんどがTOPIXや日経平均株価などの経済指標に連動するETFですが、経済指標以外の価格に連動するETFもあります。
商品 | 説明 |
---|---|
REIT(不動産投資信託) | REITの価格をあらわす東証REIT指数に連動するよう設計されたETF。 |
コモディティ(先物) | 穀物や原油、金、銀など商品の値動きに連動するよう設計されたETF。 |
また、経済指標と連動するのですが特殊な動きをするETFもあります。
種別 | 説明 |
---|---|
ブル型 | 連動する経済指標より2倍大きく値動きするよう設計されたETF。たとえば、連動しているTOPIXが5%あがると10%あがり、5%下がると10%下がる。別名レバレッジ(テコの原理)型。 |
ベア型 | 連動する経済指標の反対の値動きをするよう設計されたETF。たとえば、連動しているTOPIXが5%あがると5下がり、5%下がると5%あがる。別名インバース(反対)型。5%あがると10下がり、5%下がると10%上がるダブルインバース型もある。 |
ETFでは分配金がでます
ETFでは運用の成果に応じて分配金が出ます。運用の成果に応じて投資家におこづかいが出るんですね。
投資信託の分配金のように元本が払い戻しされる「特別配当金」は存在せず、分配金はETFに儲けが出た場合のみ出ます。
ETFが儲かったときだけお金がもらえるのね
ETFと投資信託との違い
投資信託はたくさんの株式や債券を組み合わせ、方針に沿って運用する金融商品です。投資信託では投資家からお金を集め、株式や債券を買って運用した成果を投資家に還元します。
ETFは投資信託を上場させた商品ですので、基本的な仕組みは同じです。
ETFは証券取引所に商品を上場させてしまうので、運用会社は商品の運用だけに集中できるメリットがあります。
ETF(上場投資信託)と投資信託の違いを表にまとめてみました。
ETF(上場投資信託) | 投資信託 | |
---|---|---|
取引価格 | 時価(リアルタイムに算出) | 基準価額(1日1回算出) |
取引にかかる時間 | 即時 | 3営業日程度 |
信用取引 | 可 | 不可 |
積立 | 不可 | 可 |
再投資 | 手動のみ | 自動化可能 |
売買手数料 | 1取引単位でかかる | 手数料なし(ノーロード)が多くある |
信託報酬 | とても安い | 安い |
ETFは上場しているため、取引や価格に関する透明性が高いです。その反面、積立や再投資などの金融取引市場で取り扱っていない購入方法はできません。
手数料については売買手数料がかかる反面、信託報酬が安くなるため一長一短ですね。
ETFは株式と投資信託の両方の特徴を持っているよ
ETFのメリット
少額から分散投資ができる
インデックスファンドと同じメリットだね
ETFはインデックスファンドと同じく、経済指標と連動して色々な株式や債券を組み合わせるため、少額から分散投資ができます。
分散投資は資産運用のリスクを抑えるために実践したい投資手法ですね。
詳しくは「分散投資」を読んでね
信託報酬が安い
最大のメリットは信託報酬が安いことだね
ETF最大のメリットは信託報酬が安いことです。
インデックスファンド | 0.648% | eMAXIS先進国株式インデックス |
---|---|---|
ETF | 0.15% | MAXIS海外株式上場投信 |
同じ三菱UFJ国際投信が運用しており、同じMSCIコクサイ(日本を除いた先進国の経済指標)に連動するインデックスファンドとETFを比べてみました。
インデックスファンドも高くはないですが、ETFは1/4以下の信託報酬になっています。
信託報酬は0.648%と0.15%なので、差額は0.498%。100万円を運用すると、年間4980円のコスト削減になります。
長期で運用するほどETFの信託報酬の安さが光りますね。
リアルタイムに取引できる
その場で価格と口数を決めて取引できるよ
投資信託は1万円分の投資信託を買うことはできますが、それが10010口になるか9990口になるかは買うまでわかりません。
ETFはリアルタイムでやり取りができるため、10000円で10010口になったタイミングで買うことができます。また、あらかじめ10000円を払っておいて、10010口になったら買うと行った注文も可能です。
「売り」から入る信用取引ができる
持ってなくても売れるんだ
信用取引は「3日後に買い戻すので、私を信用して売ってください」と商品がないのに売ることができる取引です。
上場していない投資信託では信用取引はできませんが、ETFでは信用取引が可能になります。
デメリット
売買手数料がかかる
取引するたびにコストがかかるよ
ETFは取引ごとに約100円の手数料がかかります。1万円なら1%、10万円なら0.1%の手数料ですね。
できるだけ1回で取引するお金を増やすことで運用する資産に対する対する手数料の割合を下げることができます。
売買手数料は会社によって異なりますが、投資信託のように手数料無料は一般的ではありません。
積立ができない
ほったらかしにできないわね
ETFでは積立ができません。ほったらかしでの運用はできず、毎回自分で買う必要があります。
手数料もかかるため、毎月購入すると手数料が積み重なってしまう点も注意です。
投資信託より単価が高い
ちょっと買いづらいんだよね
最低100円から買える投資信託に比べ、ETFは20,000円程度の商品が多いです。少しのお金でお試しの運用ができず、まとまったお金が必要になる点は投資信託に比べて扱いづらいですね。
自動で再投資ができない
再投資も自分でやる必要があるよ
ETFでは自動での再投資ができません。分配金が支払われるたびに自分で買い直す必要があります。ETFは単価が高いため、分配金だけでは新たにETFを買えないため自動化が難しいんです。
対応策としては海外のETFであればDRIPという自動で再投資する仕組みがあります。ETFを小数点単位で買えるようにしているため、1口未満の分配金でも再投資ができるんですね。
海外で証券口座を開いてDRIP対象のETFを買うことで自分で再投資する手間が回避にできますよ。
上場廃止と繰上償還がある
ETFは投資信託と同じく、繰上償還があります。繰上償還により、強制的に換金されてしまうリスクがあるんですね。
繰上償還については「繰上償還の記事」を読んでね
ETFは金融取引市場に上場しているため、市場から退場する「上場廃止」のリスクも含んでいます。上場廃止の場合もETFは強制的に換金されてしまいます。
まとめ
ETFに関するお話でした。
ETFは投資信託に株式の特徴を追加した金融商品なんだ
ETFはインデックスファンドとかなり似ている商品です。
売買手数料がかからず積立投資ができるインデックスファンドで資産をため、たまった資産で同じ経済指標に連動するETFをまとめて買うことで信託報酬を抑える運用も可能です。
この場合は利益が出ているインデックスファンドを乗り換えに使うと、利益に20%の税金がかかってしまうので注意してくださいね。
再投資の手間と乗り換えの税金を考えてインデックスファンドのまま運用したほうがいいか、信託報酬を考えてETFに乗り換えたほうがいいか、よく検討してETFを運用に組み込むか考えてみてください。