大塚さん大塚さん

インデックス投資は完全放置でいいから楽だなー

落合さん落合さん

完全放置だと繰上償還(くりあげしょうかん)されちゃうかもよ

大塚さん大塚さん

くり……?なにそれ?

投資信託には売りたくないのに強制的に投資信託を手放すことになる「繰上償還」という仕組みがあるんです。

あまり発生しませんが知らないで出くわすと「え?」となるので、頭の隅っこにいれておくことをおすすめします。私は「え?」となりました(体験談)

投資信託の運営が難しくなると繰上償還になる

落合さん落合さん

投資信託は運営する資金が足りなくなると、解散して投資家にお金を返すことがあるんだ

投資信託は運営が難しくなると、約束した期日を待たずに運営が強制終了してしまうことがあります。運営が終了した投資信託は解散され、投資家にお金を返すことになります。

「繰上」は予定が前倒しになることで「償還」は投資家にお金を返すことなので「繰上償還」と言うわけですね。

大塚さん大塚さん

待って。私の投資信託には期日なんてないわ

落合さん落合さん

期日がないなら、運用期間が「無期限」だね。期限なしだからいつおわっても「繰上」だよ

運用期間が「無期限」の投資信託は期日がありません。解散して投資家にお金を返す場合はつねに「繰上償還」となります。

繰上償還になるとどうなるの?

大塚さん大塚さん

繰上償還っていきなり「今日で解散!」てなるの?

落合さん落合さん

事前にお知らせがくるよ

繰上償還が決まると、繰上償還予定日のおおよそ3ヶ月程度前に投資家にお知らせがきます。

投資家は繰上償還のお知らせが来てからも自由に投資信託を解約することができます。繰上償還まで待ってもいいですし、自分で解約することもできます。

大塚さん大塚さん

お金がなくなることはあるの?

落合さん落合さん

お金がゼロになることはないから安心してね

繰上償還は資金没収ではなく、強制的な償還になります。強制的に資産を現金化し、投資家に戻すんですね。お金がなくなることはないので安心してください。

望まないタイミングで現金化されてしまうため、新しい投資先を探したりスケジュールを考え直さないといけない点がデメリットになります。

繰上償還を回避したい!繰上償還条件をチェックしよう

大塚さん大塚さん

運営が難しいかどうかなんて分からないじゃない。どうやって対策すればいいのよ

落合さん落合さん

まずは「お申し込みメモ」の繰上償還条件を確認してみよう

投資信託の説明書である目論見書を開いて、「お申し込みメモ」の欄を見ると繰上償還についての記載があります。

たとえば「SMT新興国株式インデックス・オープン」のお申し込みメモを見てみます。

次のいずれかの場合には、委託会社は、事前に受益者の意向を確認し、受託会社と合意の うえ、信託契約を解約し、信託を終了(繰上償還)させることができます。
●受益権の口数が10億口を下回ることとなった場合
●ファンドを償還することが受益者のために有利であると認める場合
●やむを得ない事情が発生した場合

大塚さん大塚さん

つまり、どういうこと?

落合さん落合さん

運営資金が少なくなったら繰上償還できるってことだね

例で出した「SMT新興国株式インデックス・オープン」では10億口を下回ると繰上償還ができると書いてあります。必ず繰上償還するわけではないですが、繰上償還がいつでもできる「リーチ」状態になるのです。

大塚さん大塚さん

口ってなに?

落合さん落合さん

投資信託の単位だね。一口あたり○円で投資信託は売られているんだ。スタート時点では一口1円が多いかな

投資信託の単位は「口」といいます。投資信託の成長に応じて一口の価値は上がりますが、スタート時点では1口=1円のことが多いです。

一口あたりの値段は、投資信託の「基準価額」を10,000で割った値になります。購入している投資信託の1口あたりの値段は計算して確認してみてくださいね。

繰上償還の条件にあった「10億口を下回る」は一口1円であれば「10億円を下回る」と読み替えることができます。投資信託に出資する人が減り、資産が10億円を下回ったら繰上償還できるようになるんですね。

落合さん落合さん

投資信託の純資産総額は毎日公表されているから、たまに確認するといいよ

大塚さん大塚さん

たまにってどれくらい?

落合さん落合さん

投資信託の資産状況によるかな。3ケ月に一回も見れば十分だよ

まとめ

投資信託の繰上償還に関するお話でした。

「実際に繰上償還することなんてあるの?」と思うかもしれませんが、私はインデックス投資をはじめて4年目くらいでありました。

投資信託から繰上償還のお知らせが来たときは「え?そういうこともあるんだ」という感じでしたね。

繰上償還の存在を知っていれば危なそうな投資信託は早めに解約して、自分のタイミングで別の投資信託にのりかえることもできますので、頭の片隅にでも置いといてください。